大島さん 女性31歳回数4回期間28日間
以前にも増して仕事中の肩こりが強くなる。病院には行っていない。マッサージと整体を受けたことはあるが鍼灸は初めて。
- 上田
- 以前にも増して肩こりをひどく感じるようになったんですね?
- 大島さん
- はい
- 上田
- どのようなお仕事されていますか?
- 大島さん
- 事務です。ほぼ一日中椅子に座ってパソコンを打っています
- 上田
- 最近になってお仕事が忙しくなったということはありますか?
- 大島さん
- いえ、仕事は以前とあまり変わりません
- 上田
- 肩こりがひどくなった原因として、お仕事以外に思い当たることはありますか?
- 大島さん
- とくにないと思います
- 上田
- 病院には行かれていないですね
- 大島さん
- はい
- 上田
- マッサージと整体はお受けになったことがあるんですね?
- 大島さん
- はい
- 上田
- マッサージや整体はどうですか?
- 大島さん
- そうですね。受けている時は気持ちがいいですが、少し物足りない感じもします
- 上田
- なるほど
~その後、当院の問診表に沿って、睡眠や食生活、月経、既往歴等について質問させていただきました。起きるのが辛く休日は、前の日に夜更かしをすることもあって遅くまで寝ているとのこと。月経はほぼ順調、これまでに大きな病気をしたことはない。朝食は食べないこともある。甘いものは好きだが他人と比べて多く食べていることはない(ご本人談)、運動はあまりしていない~
- 上田
- 大島さんは、足先は冷えるのに熱が体の上にこもる「上熱下寒」の状態になっています。その原因はやはり一日中座りっぱなしのデスクワークが大きいでしょう
- 斎藤さん
- そうだと思います
- 上田
- 上熱下寒になる背景には気の巡りの悪さがあります。本来はスムーズに体内を巡っているはずの気が巡らなくなると「気滞」となります
- 斎藤さん
- ・・・・
- 上田
- 五労といって、久行、久視、久座(すわりっぱなし)、久臥(よこになりっぱなし)、久立は、体にとってどれもよくありません。とくに久座や久臥は気の巡りを悪くします。
- 斎藤さん
- はい
- 上田
- 気の巡りが悪くなると血の巡りも悪くなります。すると「血瘀」となってますます気の巡りが悪くなり、肩こりもひどくなります。また気や血の滞りがあると冷え症にもなりやすいですね
- 斎藤さん
- 本当は少し運動すればいいんでしょうけど
- 上田
- そうですね。運動らしいことはあまりしていないですか?
- 斎藤さん
- そうですね
- 上田
- 無理のない程度の運動は心掛けていただくとして、肩こりをよくしながら、気滞と瘀血を改善していきましょう
- 斎藤さん
- はい
1回目
術後、肩こりが軽くなる。
2回目(1週間後に来院)
前回施術を受けてからの1週間は肩こりも軽く、調子が良かった。足先の冷えに関しての変化はよくわからないとのこと。
3回目(1週間後に来院)
肩こり、全体の調子ともに良好な状態が継続。
4回目(1週間後に来院)
やはり、体調はいいとのこと。睡眠も深くなり、朝起きるのが少し楽になる。
やり過ぎ(久行)、視過ぎ(久視)、座りっぱなし(久座)、臥せっぱなし(久臥)、立ちっぱなし(久立)、を「五労」といい、五労は体調を崩します。とくに久座や久臥は気の巡りを悪くし気滞の原因となります。血は気の力によって体内を巡っているため、気の巡りが悪くなると、血の巡りも悪くなり、さまざまな体調不良を引き起こします。気滞や瘀血を改善させ肩こりを解消するには、患部(凝っている部位)に刺鍼すると同時に、疏肝理気、活血化瘀の治療が有効となります。
大島さんご本人によれば、当初考えていたよりも効果が早く現れ、気分がよくなったとおっしゃっていました。その後も1週間~1ヵ月に1回のペースで来院されています。