ストレスと体質と病気と 2
2024/09/03
上田
馬込沢うえだ鍼灸院院長
鍼灸でみんなを幸せにしたいと
日々精進
roo
健康に興味のあるネコ
出身地:千葉
好きな食べ物:肉
roo
前回は、ストレスが病気のきっかけとなる。どんな病気になるかは人によって異なる。ストレスを最初に受け止める臓は肝。肝で受け止めきれなかったストレスが心にいけば「肝心火旺」、脾に向けば「肝脾不和」。肝心火旺の症状として不眠、肝脾不和の症状として神経性胃炎や過敏性腸症候群がある、といったお話でした
上田
はい
roo
ストレスが肺に向かうとどうなりますか?
上田
喘息やアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患がひどくなる
roo
喘息はわかります。皮膚疾患というのは?
上田
皮膚も呼吸をしているでしょ
roo
あー、そうか
上田
肺と大腸は表裏の関係にあるよ。五行説でみればともに「金」だね
roo
金
上田
金は「分ける」という意味があるんだ。金属でできた斧やノコギリのようなイメージかな
roo
なるほど。切り分ける、ですね
上田
肺は酸素と二酸化炭素を分ける。大腸は吸収するものと排泄するものを分けるね
roo
はい
上田
排泄すべきもの排泄しないと肌の調子が悪くなるよ
roo
便秘はよくありません。大腸と肺が関係していることがよくわかります
上田
深く、しっかりした呼吸によって自律神経をコントロールすることができる。ストレスも緩和する。これが金克木で、金(肺)が木(肝)をうまく抑えている本来の姿だね
roo
金が木を克しているのがふつうですね
上田
そうなんだけど、ストレスが強すぎて金が木を克すことができなくなると、金が木に逆にやられてしまう「木侮金」という病的な状態になるんだ
roo
ストレスによって咳や皮膚の症状がひどくなるんですね。どうしたらいいですか
上田
便秘の人はちゃんと排便が行われるようにすることだね
roo
はい
上田
それと深くゆっくりとした呼吸が大切だ
roo
深く、ゆっくり
上田
1日に3分。目をつむって呼吸に集中しよう。5分でも、10分でも、30分でもいいよ
roo
ストレスが多いと知らぬ間に呼吸が浅くなっているそうですね
上田
そうだね。本来の呼吸を取り戻したいね
roo
木侮金となってしまったものを本来の「金克木」に戻したいですね
上田
食事、運動、想い、と合わせて呼吸が大切だね
roo
食息動想が大切ですね
上田
そうですね
roo
次回は肝(木)と腎(水)の関係について、「ストレスが腎に及ぶとどうなるか」のお話をうかがいます
上田
よろしくお願いします
ストレスの質が変化しています。肉体的ストレスが多かった昔に比べて、現代では人間関係などから生じる精神的ストレスがとても増えています。暑さや寒さで眠れないこともありますが、不眠の最たる原因は精神ストレスです。暑さや寒さ、自然災害という問題以上に、精神ストレスを解決することは簡単ではありません。肝のコントロール(精神ストレスのコントロール)のために呼吸に意識を向けてみてはいかがでしょう。