鍼灸で妊娠9 妊孕力を向上させるために
2021/05/30
上田
馬込沢うえだ鍼灸院院長
鍼灸でみんなを幸せにしたいと
日々精進
roo
健康に興味のあるネコ
出身地:千葉
好きな食べ物:肉
roo
東洋医学では、妊娠のためには腎の力を強くすることが大切なんですね
上田
そうだね
roo
腎を強くすることが妊孕力(妊娠する力)を高めることになると
上田
腎を補うためのツボはいろいろあるけど、単にそのツボに鍼を打てばいいというものではないよ
roo
といいますと?
上田
妊孕力を高めるために大切なことは、いつもいい気持ちでいることだよ
roo
はい
上田
イライラしていたり、気分が不愉快なままで、腎のツボに鍼灸をしても効果的とはいえない。イライラや、気分がよくない原因があるなら、それをなくす、もしくは減らすことが大事だよ
roo
なるほど
上田
妊娠のために、たんに腎のツボに鍼灸をするというのでは、それは東洋医学的な治療とは言い難い
roo
東洋医学ではない?
上田
可能な限りその人の全部をみていこうというのが東洋医学だよ。だから、この病気にはここに鍼をして、こういう症状が出ているときはここにお灸をしてというのは、「この病気にはこの薬」というのと同じで、それはどちらかというと西洋医学的発想による治療だね
roo
鍼や灸を使えばそれで東洋医学というわけではないんですね
上田
そう、鍼か灸か薬か、用いる手段によって東洋医学か西洋医学かが決まるんじゃなくて、その背景にある考え方が重要なんだね。西洋医学的な考えに基づいておこなう鍼灸もあるよ。どちらがいいとか悪いとかいう問題でもない
roo
どちらかが良くて、どちらかが悪いわけではない
上田
例えば、後頭部にある後頭下筋という筋肉がある。この筋肉がコルと眠れなくなったり、気分が悪くなったりする。自律神経が乱れて、めまいや頭痛を起こすこともあるよ
roo
嫌ですね
上田
これは一つの例だけど、妊娠を望んいるのに、なかなか妊娠しない人がいたとする。その人が後頭下筋のコリによって、いろいろと不快な症状があった場合、後頭下筋のコリをなくすことが、その人にとって実はもっとも優先されるべき不妊治療かもしれないよ
roo
にゃるほど
上田
後頭下筋のコリを鍼によって軽減させようというのは、どちらかという西洋医学的な治療だね。その上で、見立てた「証」に対して東洋医学的な鍼灸を行うことが大切なんだ
roo
証というのはその人の体質や状態のことですね
上田
そう。証に働きかけて気血の流れをよくしていくのが東洋医学だね
roo
後頭下筋への鍼灸も、証への鍼灸も、どちらも大切なんですね
上田
後頭下筋のコリを例に挙げて説明したけど、不快になる症状は、みんなそれぞれ違うでしょう?
roo
そうでしょうね。腰痛もあれば、お腹の調子がよくないということもあれば、不眠や疲労、生理痛も、本当にいろいろあります
上田
身体的症状だけが不快の原因になるわけでもないしね。職場や家庭の環境によるものもとても多い
roo
そうですね
上田
身体上に現れる症状というのは、その人の内面から発せられる「声」だよ。だからしっかりとその声に耳を傾けて、対応していくことが大事だね。環境を変えることは現実的に難しいこともあるけど、心身をできるだけ良好に保つことが、妊娠を近づけるよ
roo
いつもいい気分でいることが、不妊治療になるんですね
上田
そうだね。元気なら、つらいことにたいする許容量も大きくなるしね
roo
みなさん、いい気分でいてくださーい
妊娠を妨げる大きな要因の一つが、不安、イライラなどの心身の不調です。そんなものは別にないという人もいます。しかしそのような人であっても、運動をした後や、入浴後は気分爽快となります。気分爽快を求めることでオーバーワークになってはいけませんが、望みを近づけるために積み重ねるべきものは「小さな気分爽快」だと思います。
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