巡りのポイント5 運動器の機能低下
上田
馬込沢うえだ鍼灸院 院長
鍼灸でみんなを幸せにしたいと
日々精進
鍼灸でみんなを幸せにしたいと
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roo
健康に興味のあるネコ
好きな食べ物:肉
出身地:千葉
好きな食べ物:肉
出身地:千葉
roo
気・津液・血は巡っていることが重要とのお話でした
上田
そうだね。気も津液も血も、流れて、巡てって、動くことで、生体は活き活きとしたものになるよ
roo
人もネコも動物は動いてこそのものですね
上田
そうだね。西洋医学では、気というものにあまり言及しないけど、津液や血については西洋医学も東洋医学も同じような考えだよ。津液は血以外の体内の水分、リンパ液、唾液、汗など、血は赤い液体のことだね
roo
西も東も同じなんですね
上田
ベースとなる考え方が違うから、全く同じということではないけどね。例えば、心(こころ)には神が宿り、神は夜になると神の家である「血」に帰る。ストレスなどで血が不足すると、神は帰る家がなくなって不眠になる。こんな考え方は西洋医学にはないよ。だから血と血液は同じではないね
roo
なるほど
上田
どちらも大切なものということでは変わりはないけどね
roo
はい
上田
津液も血も血液も巡ることで、細胞に酸素や栄養を与え、老廃物を取り除くんだ。だから巡りが悪くなれば細胞が活き活きしない
roo
するとどうなりますか?
上田
病気になる。もしくは病気になりやすくなる。また病気やケガが治りにくくなる
roo
嫌ですね。巡るべきはずのものの巡りが悪くなって、流れるはずのものが流れなければ、細胞は活き活きしない
上田
そう。筋肉も固くなる。筋肉が固くなれば運動器障害なども起こしやすくなるし、呼吸も浅くってしまう。疲れは取れないしパフォーマンスは低下する。これはスポーツ選手に限ったことじゃないよ
roo
呼吸が浅くなってしまうんですね
上田
そうだね。呼吸も横隔膜や肋間筋などの筋肉の働きによるものだからね
roo
どうしたらいいですか
上田
まずは、自分でしっかりと呼吸をすること。腹式呼吸をやってみよう。吐いた時にお腹が凹み、吸った時にお腹が出るようにするんだ。座ってやっても、仰向けでやってもいいね。お腹に手を当ててやるとわかりやすいよ
roo
ネコにはちょっと難しそうですけど
上田
肺のすぐ下にある横隔膜という膜が下がって、胸郭(肋骨や背骨などで作られる鳥かご状のもの)が広がることで、肺に酸素が吸入されるんだね。だから横隔膜が下がらず、肋骨と肋骨の間の筋肉(肋間筋)が強張っていると呼吸が浅くなってしまうんだ
roo
腹式呼吸をやるときのポイントはありますか?
上田
ゆっくり、とくに吐く方を長く。それと口ではなくて鼻で行う
roo
鼻で行うのはどうしてですか?
上田
口は消化器だから。呼吸器は鼻。鼻腔内には鼻毛があるでしょう。口で呼吸をすると酸素以外のものが直接肺に入りやすいのと、乾燥した空気を吸うことになるから喉の粘膜を傷めやすいよ。それから日ごろ口で呼吸をする人は、食事の時に息が苦しくなる。すると必然的に早食いになってしまう。鼻で呼吸をする癖を身に付けた方がいいね
roo
ネコはあまり口で呼吸をしません
上田
ストレッチもいいよ。上半身を捻ったり、両腕で何かにぶら下がったり、四つん這いになって背骨を丸めたり逸らしたりするんだ
roo
あっ、それネコのポーズですね
上田
るっくんは得意でしょ。背中に膈兪という名前のツボがあるけど、横隔膜は調度この当たりに位置しているんだ。膈兪に鍼をするのは、呼吸が浅い人には必須だよ
roo
膈兪
上田
膈兪を別名を「血会穴」というんだ。これは膈兪に鍼をして横隔膜の動きが良くなれば、全身に血液が巡りやすくなるからだよ
roo
にゃるほど
上田
肺は、肺自身の力で膨らんだりしぼんだりするんじゃないんだ。肺を囲んでいる胸郭が広がることで、肺も広がるんだね。このときに肋骨と椎骨との間(肋椎関節)の動きが悪いと、やはり胸郭は広がりにくい。そのままではストレッチの効果も上がりにくいんだね
roo
肋椎関節の動きを良くしないといけませんね。どうしたらいいですか?
上田
これは自分ではできないから誰かにやってもらおう
roo
にゃーい
関節の動きを良くするためには、
その関節を跨いでいる筋肉の柔軟性を高める筋肉や筋膜へのアプローチと
関節自体へのアプローチとがあります。
この場合(「痛みを取ること」ではなく、「関節の動きを良くすること」を主目的とした場合)、
膈兪へ刺鍼は脊柱起立筋という筋肉へのアプローチということになります。
胸郭を広げやすくするためには、横隔膜や肋間筋、胸鎖乳突筋、斜角筋群、腹筋群、腹斜筋群
などの筋肉への働きかけと、肋椎関節という関節への働き掛けがありますが、
関節への直接アプローチは本人にはできません。