標治、本治、根治
2020/09/08

上田
馬込沢うえだ鍼灸院院長
鍼灸でみんなを幸せにしたいと
日々精進

roo
健康に興味のあるネコ
出身地:千葉
好きな食べ物:肉

roo
標治、本治、根治ってどういうことですか?

上田
標は「表」面的なもの、「目印」や「症状」のことだね。本は標を生み出しているもの、根は本の土台となるもののこと

roo
標は表面的、目じるし、症状

上田
そう、症状は病気の目じるしでしょう?

roo
なるほど

上田
その標に働きかけて、取り合えず症状を抑えようというのが「標治」。つまり対症療法だね

roo
はい

上田
本治とは、標を生みだしている臓腑や経絡を整えようというものだよ。「気を補う」という本治だね

roo
臓腑や経絡が整って、気が補われればおのずと症状が治まるということですか?

上田
そういうことだね

roo
標治だけで済ませてはよくないですね。それでは症状を抑えただけ

上田
望ましいのは必要に応じたお手当を行うことだよ

roo
標治も大事であると

上田
例えばアトピー性皮膚炎で、ひどい痒みがあった場合、まずは痒みを止めることが先決。その上で、痒くならない、もしくは痒くなったとしても軽度で済むように体質を変えていくことが大切だよ。気をつけなければならないのは、対症療法の頼りすぎは病気が治らないだけでなく、逆効果になってしまうということ

roo
それは怖いですね

上田
慢性疾患の場合、より本治が大切だね。「急なれば標を、緩(慢)なれば本を」という言葉があるよ

roo
根治とは?

上田
根は文字通り「根(ねっこ)」のこと。本が幹で、その幹を支えるのが根だね

roo
土台ですね

上田
そうだね。根とは、生活環境や生活習慣と考えられるね

roo
病気が悪くなるのも、よくなるのも生活環境が大きく影響するんですね

上田
つまり生活環境とは「ストレスの程度」と考えることができる。肉体的ストレス、精神的ストレスがあるね

roo
強すぎるストレスの下では、病気をよくしていくのは難しい

上田
元気であれば、少々のストレスははね返すことができる。元気になるためや元気でいるための治療が本治法で、生活環境を整えることが根治といえるね

roo
はい

上田
鍼灸で臓腑や経絡に働きかける(つまり本治法を施す)ことはできるけど、生活環境を変えることは本人にしかできないよ

roo
そうですね

上田
根治とは「根を治める」ということ

roo
向かうべきところは根治ですね

上田
そうですね
ストレスには肉体的なものと精神的なものがあり、肉体的ストレスには六淫(風・寒・暑・湿・燥・火)、飲食の不摂生、労働のし過ぎ、房事、外傷、ウイルスなどがあり、精神的ストレスには七情(怒・喜・思・憂・悲・恐・驚)があります。これら、私たちを取り巻く環境を変えることは本人にしかできません。