月経前の心身の不調
2021/05/31
上田
馬込沢うえだ鍼灸院院長
鍼灸でみんなを幸せにしたいと
日々精進
roo
健康に興味のあるネコ
出身地:千葉
好きな食べ物:肉
roo
PMSってなんですか?
上田
月経の前に起こる心身の不調のこと。月経前症候群といって、いろいろな症状があるよ
roo
例えば?
上田
体がだるい、頭痛、腹痛、腰痛、関節痛、体重の増加、四肢のむくみ、お肌のトラブル、乳房の張り、腹部の膨満感など、いろいろ
roo
いっぱいありますね
上田
とくに精神症状には月経前気分不快障害(PMDD)という病名がついている。抑うつ、不安、怒り、イライラするといったものだね
roo
体だけじゃないんですね
上田
それほどひどくない人もいれば、かなり大変な人もいるね
roo
なんでPMSやPMDDが起こるんですか?
上田
黄体ホルモンの影響が大きいといわれている
roo
黄体ホルモン?
上田
黄体ホルモンは、黄体期に黄体から分泌されるホルモン。プロゲステロンともいうよ。黄体というのは排卵が終わった後の卵胞が黄体化したもので、卵胞は卵子を包んでいる袋だね
roo
黄体期は月経周期の最後の期間でしたね。月経周期の初日が月経期の初日、その後、卵胞期、排卵期、黄体期、と続くんですよね。つまり月経期の前は黄体期
上田
そうだね。黄体期に黄体から分泌される黄体ホルモンには、子宮内膜を調えたり、体温を上げて妊娠の維持のために働く大切なものだよ
roo
でも、ありがたくない働きもある
上田
黄体期は、受精が行われなければプロゲステロン(黄体ホルモン)の影響が最も顕著になる時期だね。黄体ホルモンの副反応だけでなく高温期が続いて交感神経が活発になるから、便秘、肩こり、腰痛、ヒステリー症状などが出やすい。疲労感が強かったり、眠くてしょうがないという人もいる
roo
大変だなぁ
上田
黄体ホルモンが増えるこの時期は、エストロゲンが減る時期でもある
roo
エストロゲンというのは?
上田
卵胞期に卵胞から分泌されるホルモン。妊娠に備えて子宮内膜を厚くしたり、自律神経を安定させたり。それから血管、骨、関節、脳などを健康に保つなどの働きがあるよ。女性が最も体調がよいと感じる時期だね。お肌の調子もいい
roo
ずーっと卵胞期ならいいのに。エストロゲンの減少と黄体ホルモンの増加と、ダブルパンチですね
上田
さらには、エストロゲンが減少する時期、セロトニンも減ってしまうんだ。セロトニンは精神を安定させる働きがあって、分泌量の減少はうつ病の原因の一つと考えられているよ
roo
だからPMDDにもなるわけか
上田
症状というのは体から発せられる声だから、本当はその声には素直に従うのがいい。人と会いたくなければ会わないようにして、眠くてしょうがないなら寝ているのが本当はいいんだ
roo
でも、なかなかそうもいかない。人間のみなさんは大変ですね。どうしたらいいですか?
上田
無理をしないこと
roo
そうですね。鍼灸はどうですか?
上田
鍼灸もいいよ
roo
鍼灸は体だけでなくて、こころにもいいんですよね
上田
そうだね。ただ、PMSの症状のつらいときに鍼灸を受けるのが大変だったり、鍼灸院に行くことすらキツイこともある
roo
どうしたいいですか?
上田
調子のいいときに受けて体質を改善する。とくに月経と深く関わる肝気の流れをよくする疏肝理気や、血の停滞を予防改善する活血化瘀の治療が有効だね。すると月経前の症状が軽くて済むようなる。とくに冷え症のある人は、日ごろから冷え症をよくしておくことでPMSも軽くなるよ
roo
冷え症をよくする、つまりは本治ですね
上田
そういうことだね。ツライときに症状を緩和させる標治も大事だけど、やはり本治が大事だね
roo
みなさん、PMSやPMDDを積極的によくしていきましょう
PMSやPMDDがあると、ひと月のうち数日という多くの時間を
不快な症状を抱えたまま過ごさなければなりません。
少しでも快適に過ごすためには、自分なりの方法でやりくりする必要があります。
昔からある鍼灸治療も試してみる価値のあるものだと思います。
光線治療もいいですよ。