冷え症(血虚) 随伴症状:生理痛(肝腎虚損)
佐藤さん 女性29歳やせ型回数20回期間113日
とくに手足の先に冷えを感じる。食が細くやせ型で筋肉が少ない。顔色があまりよくなくトイレが近い。生理痛がきつく、仕事を休むこともあった。痛みはひどい時は痛み止めを服用し何とかやり過ごしていたが、薬を飲み続けることに抵抗があり、冷え症、生理痛を改善しようとホームページで当院を見つけ来院。
- 上田
- 冷え症で、生理痛がお辛いということですね。昔からですか?
- 佐藤さん
- はい
- 上田
- 生理周期は一定ですか?
- 佐藤さん
- はい、ほぼ28日で安定しています
- 上田
- 生理期間はどれくらいですか?
- 佐藤さん
- 5日間ほどです
- 上田
- 最も辛いのは何日目ですか?
- 佐藤さん
- 2日目ですが、それを過ぎても痛みが続くことがあります
- 上田
- お薬をお飲みになっているんですよね?
- 佐藤さん
- はい。今は市販薬を飲んでいます
- 上田
- 効いてくれていますか?
- 佐藤さん
- はい、効いていると思いますが、薬を飲まなくていいのならそのほうがいいと思って
- 上田
- そうですか。体が冷えるということですが
- 佐藤さん
- はい。冷え症だと思います
- 上田
- 特にどこが冷えていると感じますか?
- 佐藤さん
- 手足や指先です。人に触られても冷たいといわれます
手を触らせてもらう
- 上田
- 確かに冷たいですね。これは私の手よりも冷たいということですけどね。
生理痛も冷えと関係している場合がとても多いですね
- 佐藤さん
- やっぱりそうですか
- 上田
- 昔から、冷えは万病の元と言われていますが、冷えていると病気になりやすかったり、行動量が減ったりします
- 佐藤さん
- 自然と省エネモードになるということですか。私もたぶんそうなっています
腹診、脈診、舌診などを行う
- 上田
- 佐藤さんの冷え症は「血虚タイプ」です。それと瘀血もありますね。血虚とは血の量が少ないこと、瘀血は、血の流れが悪い状態のことです。どちらも冷えと関係しています
- 佐藤さん
- 血虚と瘀血・・・
- 上田
- 血とは、気と共に人の生命や活動を支えるエネルギー物質もしくはエネルギーを運ぶもので、ほぼ血液のことですね。血が不足すると、その少ない血でやりくりしなければならないため、生命には直接関わらない手足の末端が冷えます。それと肌がかさつくのも血虚の特徴です
- 佐藤さん
- 肌のかさつきも気になってます
- 上田
- 冷えていると汗として体外に排出される水分量が減り、その分尿量が増えます。それと膀胱が過敏になり、頻尿になるといったこともあります
- 佐藤さん
- いろいろなことが冷えと関係してるんですね
- 上田
- はい。血はバランスの取れた食事によってつくられますから、血を補うためには胃や腸がしっかりと働いてくれることが重要です
- 佐藤さん
- どうしたらよいでしょう?
- 上田
- 栄養の吸収を良くするために、適度な運動をしてお腹を空かせることが大事です
- 佐藤さん
- 運動不足です
- 上田
- それと、熱を生むのは筋肉ですから、筋肉の量が少ないと冷え症になりがちです。筋肉の量を増やすほど運動するのは大変ですが、運動して、それに見合う食事を取るのは基本ですね
- 佐藤さん
- 基本・・・
- 上田
- また体が血を作る時間帯は夜ですから、しっかりと眠らなければなりません。夜更かしは良くないです
- 佐藤さん
- はい
- 上田
- 治療の効果を生かすために、無理のない範囲でこれらのことを行ってくださいね
- 佐藤さん
- できることからやってみます
1~ 8回目
治療後はスッキリする
9~14回目
生理痛はあっても以前よりは軽度。ひどくなるようなら薬を飲むつもりでいたが、飲まずに済んでいる
15~22回目
初診から3ヶ月が経っていて、薬を飲むほど痛みがひどくなることはない。この状態を継続させ、再発予防のために月に1回程度継続して来院
この方は血虚タイプで、血虚とは西洋医学的にいえば貧血です。
少ない血でやりくりするため、生命に直接は関わらない手足が冷えます(※冷え症であっても、さほど手足が冷たくならない人もいます)。冷えによる頻尿の理由は、冷えていると汗として体外に排出される水分量が減り、その分尿量が増える、膀胱が過敏になり頻尿になるといったことが考えられます。つまりトイレに行く回数が減ったということは、冷えが改善してきているということがいえます。また血はバランスの取れた食事によってつくられますから、血を補うためには胃や腸がしっかりと働いてくれることが重要です。栄養の吸収を良くするために、適度な運動をしてお腹を空かせることが大事です。また体が血を作る時間帯は夜ですから、しっかりと眠らなければなりません。