大人のアトピーが増えている
上田
馬込沢うえだ鍼灸院院長
鍼灸でみんなを幸せにしたいと
日々精進
roo
健康に興味のあるネコ
出身地:千葉
好きな食べ物:肉
roo
大人のアトピー性皮膚炎(以下アトピー)が増えていると聞きました
上田
アトピーはもともと子供の病気だったんだよ。大人になれば自然に治っていたんだ
roo
では、なんで?
上田
一つは、社会が衛生的になりすぎたことが挙げられる
roo
衛生的なのはだめなんですか?
上田
「過ぎる」のがよくないんだ。免疫機能の活躍の機会が少なくなってしまうから
roo
すると?
上田
働く場を失った免疫機能は、その力を持て余し、不必要な反応をするようになってしまう
roo
ふーん
上田
もう一つが、昔に比べて「栄養状態がよくなったから」とされている
roo
栄養状態がいいのはいいような気がするけど
上田
そうだね。栄養は生きていくために欠かせないものだ
roo
はい
上田
だから「体にとって不必要なものを取り入れるようになってしまった」というのが正確なところだろうね
roo
不必要なものとは?
上田
砂糖、小麦、食品添加物などなど。これらは不必要なだけでなく害になってしまう。他にもいろいろ。反応には個人差があるね
roo
砂糖や小麦、食品添加物はよくないんですか?
上田
日本人がこれらを多く食べるようになったのは戦後からで、それまではあまり食べることはなかったんだ
roo
これらを食べるとどうなるんですか?
上田
腸は本来、体にとって悪いものは吸収しないようになっているんだけど、砂糖や小麦のグルテンが腸壁を壊してしまうんだ。するとそれ以外にも体に悪いものが体内に入って来やすくなる
roo
それで免疫が異常な活動をしてアトピーが起こると
上田
そういうこと
roo
東洋医学でアトピーの治療はできますか?
上田
脾と肺を強くすることがアトピーの治療になるよ
roo
脾と肺?脾って何ですか?
上田
脾とは、現代医学でいうところの消化器の働きに近いね
roo
アトピーは消化吸収器官を調えることが重要ですね。肺は?
上田
東洋医学の肺は呼吸器だけでなく、皮膚も「肺」に含まれるよ。皮膚も呼吸をするでしょ。体の最外層を守っているバリアの役目をするのも肺。だから腸の粘膜層も肺なんだ
roo
なるほど
上田
呼吸器としての肺は、体にとって必要な酸素を取り入れて、不必要な二酸化炭素を排出するところだね
roo
はい
上田
皮膚に起こる湿疹や蕁麻疹も、体内の毒素を出している現象だ
roo
意味のあることなんですね
上田
つまりアトピー性皮膚炎をよくするには脾と肺を正さなきゃならない
roo
はい
上田
そして、どんな病気もよくするためには、何を取るかということ以上に、毒になるものをいかに取らないかが大事だね
roo
はい
上田
アトピー性皮膚炎の人は、喘息やアレルギー性鼻炎といった他のアトピー素因をもっていることが多いんだ
roo
そのような人は多いですね
上田
免疫の異常な働きということではリウマチなんかも当てはまるね
roo
アトピーはアレルギー性、リウマチは自己免疫疾患
上田
ストレスや疲労や冷え、睡眠不足が症状をひどくするから、気をつけなきゃだめだよ
roo
疲労、冷え性、不眠症は万病のもと。アトピーの治療に光線療法はどうですか?
上田
ビタミンDが免疫機能を調整し、アレルギー疾患の症状を緩和させる。それと皮膚のバリアを活性化して水分の蒸発を防ぐなどのことから、光線療法はアトピー性皮膚炎に有効だよ
roo
ビタミンDを活性化する光線療法は、アトピーにもいいんですね
上田
光線療法でアトピーの症状が緩和した症例は多いよ
roo
みなさーん、積極的にアトピーをよくしていきましょう
日本皮膚科学会は、~アトピー性皮膚炎は遺伝的素因に加え、様々な内的、外的悪化要因を持った皮膚病であり、現時点では病気そのものを完全に治す薬物療法はない、従って対症療法が治療の原則になる~としています。「アトピー」とは、ギリシャ語のATOPOSに由来し、「奇妙な」「不思議な」という意味で、つまりアトピー性皮膚炎とは、原因がよくわからない痒みなど皮膚の症状すべてと考えられます。よくわからないとはいっても、然るべき対応によってかなりの緩解が見込めることがわかっています。